本日の日経平均は 65.79 円安の 28864.32 円で取引を終了した。一時、下落幅を 600 円以上に拡大させる場面があったものの、後場に入ってから徐々に下げ渋る動き。ローソク足では長い下ひげが出現した。
株式相場は完全に米長期金利の上昇を嫌気する流れ。朝方、日経平均は 200 円程度からの下落から始まり、さらに下値を試す動きとなった。為替相場が円安に傾いているにも関わらず、それを一切、好感せず。下値トライの動きになったのだ。
「窓・壁・軸理論」では、これはかなり弱い動き。昨日の下方の窓埋めで一定の調整一巡感は漂っていたが、決して上方の窓(29277.19 円―29336.60 円)を目指すことはなかった。「窓・ひげ理論」においては、「上方に窓・下方にひげ」という上昇しやすい需給とはなったものの、取引レンジが一段下がったことで、軸の傾きは明らかに下向き。引き続き、下落しやすい状態に変化はなさそうだ。急速な下げ渋りで一定の買い安心感はあるものの、来週早々にそういった期待が一蹴されることになりそうだ。
今晩は米雇用統計の発表はあるが、こういった経済指標は「過去の轍(わだち)」である。将来の株価予測にはまったく役立たないだろう。週明けには不透明要因がひとつ消滅するものの、株価のトレンドを変化させるには至らないと思われる。
投資家は引き続き、米長期金利の動向を注視する流れとなりそうだ。最大のイベントは再来週の日米の金融政策決定会合。ここで明確に「緩和継続」を市場に納得してもらえるのかが焦点だ。日米金利の拡大から、金利裁定面で円安・ドル高が進みやすいものの、「悪い金利上昇」と捉えられれば、日本株安を相殺するには至らない。株価はさらに下押しすることなり、投資家たちは「しつこい催促相場」を自ら演出することになりそうだ。
<マーケット・ストーリー>
3階のテラスから落ちかけたビニール塊は、いったん持ち直したかのように見えた。ただ、そこには「長い下ひげ」の老人がいて、こうつぶやいたのだ。「こりゃ、ダメじゃのう」――彼は預言者なのか、それとも救世主なのか・・・。
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