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執筆者の写真Yasushi Kuroiwa

「窓を空けられず、弱気相場は継続」~3/10(夕刊)

 本日の日経平均は 8.62 円高の 29036.56 円で取引を終了した。朝方は米ハイテク株の上昇を受けて買い先行となったものの、買い一巡後は上値の重い展開。徐々に値を消す展開となり、一時マイナス圏に転じる場面もあった。


 日経平均の日足チャートでは、寄り付きの窓を埋める展開。一昨日の同じパターンとなっており、この付近での売り圧力の強さを示唆している。

 「窓・壁・軸理論」では上方の窓埋めを拒否する動き。これが軸の傾き(もちろん下向き)を示唆するものであり、将来的な下放れの可能性を示している。「長い下ひげに対して上方に窓」という典型的な「窓・ひげ理論」の形になっていたにも関わらず、この動きはあまりにも不甲斐ない。再び下ひげにチャレンジし、その後は下方ブレイクが濃厚となっている。投資家は改めて下方向を警戒する必要があり、今後の動きには細心の注意を払うべきだ。


 投資家にとって重要なのは、「この先」の話である。過去をいくら振り返っても全く意味はない。「売りポジション」を維持し、将来的な下放れに備える場面である。その際、狼煙となるのが、下ひげ(28308.57 円)のブレイクである。これを下回ったときには、一気に下落スピードが加速する恐れがある。決して欲をかくことなく、謙虚に振る舞う必要がある。


 ちょっと違和感をおぼえるのが、為替の円安傾向だ。米金利上昇が原動力となっているのが分かるが、国内は4月から消費税が総額表示。実質的な値下げ圧力がかかり、これがデフレ懸念を強めている。ならば、円高になってしかるべきだが、それがそうはなっていない。市場が近視眼的に金利のことばかり気にして、そういった長期的な物価動向に鈍感になっている証拠だと思われる。4月に入ってからデフレ色が強まる展開となれば、改めて円高が意識される可能性がある。それが足元で上昇している輸出関連株へのダメージとなるかもしれない。


<マーケット・ストーリー>

西からの風もあっという間に止み、再び凪状態に。某宗教集団の「空中浮遊」ではないが、ビニール塊は静止状態となっている。下ひげのオヤジが、なんとなく怪しげな教祖様に見えてきた。「こうなったら神にでもすがるしかない!」――そんな諦めの声も聞こえてきた。

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