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執筆者の写真Yasushi Kuroiwa

「しっかり、あと 800 円ほどの上値余地」~5/25(夕刊)

 本日の日経平均は 189.37 円高の 28553.98 円で取引を終了した。朝方から堅調スタートとなったあとは、高値圏でのもみ合い相場。リバウンドの動きが継続している。


 日本株が上昇したのは、昨日の米国株が上昇したから。ビットコインの上昇、長期金利の低下を好感しており、全般的に「リスクオン」の動きが強まっている。ただ、積極的に買う材料は乏しく、打診買い、買い戻しの域を出ていない。東証一部の売買代金は2兆 2000 億円と低調。いわゆる全員参加型の上昇相場にはなっていない。


 日経平均の日足チャートでは、十字足が出現。強弱感の対立を示唆しているものの、着実にレンジを切り上げている。前日の上ひげに挑戦する形となっており、これもまた強い形。下方の窓から徐々に離れており、相場の方向性を示唆している。

 日経平均は基本的に上方の窓を目指す流れ。あと 800 円程度の上昇余地があり、近日中に埋めることになるだろう。緊急事態宣言は 6 月 20 日まで延長される見通しとなったものの、それは市場にとって織り込み済みの材料。オリンピックの強行も規定路線になりつつあり、市場には弛緩した空気が漂っている。いわゆる「セルインメイ(5月に売れ)」も、一過性のものになりつつある。投資家は再びリスクテイクの動きを強めやすくなっており、それがハイテク・成長株の上昇を後押しする可能性はある。


 ただ、もともとこの相場はボックスを下放れたところから始まっている。下がるには何かしらの理由があった可能性が高く、足元の上昇をそれほど信用してはならない。すぐに足をすくわれるかもしれず、その点は十分に注意をしておきたい。投資家は「買いポジション」を持ちながら、慎重姿勢を崩さないようにしなければならない。


<マーケット・ストーリー>

「もう大丈夫、落ちることはない」――誰かが見切ったかのような意見を言い出した。「そうだ、そうだ大丈夫だ!」―-周りもにわかにそれに同調する動き。ただ、向こうの隅で冷静にこう言いだす輩がいた。「恐らく、これが“正常性バイアス”というやつなんだろうな」

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