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執筆者の写真Yasushi Kuroiwa

「いったんリバウンド、中国の買い支え策を好感」~3/9(夕刊)

 本日の日経平均は 284.69 円高の 29027.94 円で取引を終了した。朝方はもみ合いスタートとなったものの、その後は徐々に上げ幅を拡大。上値を試す動きとなった。


 一部報道で「中国の政府系ファンドが株安に対して介入」と報じられており、中国株が下げ渋る展開。全人代の開催中ということもあり、株価の下支え策に期待感が高まったようだ。ソフトバンク G(9984)が3%以上の上昇となり、全体相場を押し上げた。あとは、テルモ(4543)が4%近い上昇。「7回接種の注射器生産へ」と報じられたことで、投資家の人気を集めた。

 日経平均の日足チャートでは、下影陽線が出現。中国から思わぬ追い風が吹いたことで、全体相場が押し上がっている。あとは為替の円安傾向。1ドル=109 円台となっており、ホンダ(7267)など自動車株の買い要因となっている。


 日経平均はいったん持ち直したものの、大きなトレンドを変化させるものではない。先週末の長い下ひげによる買い安心感は強いものの、下落相場を覆すものではない。ここは「戻り売り局面」であり、近い将来、下方ブレイクの可能性が高いと考えたい。


 為替の円安傾向は、日米金利差の拡大によるものだろう。一方的な米長期金利の上昇は、金利裁定で円安・ドル高を招きやすい。足元で米インフレ懸念、財政不安はあるものの、それよりも金利が付くことによる「運用しやすい」というメリットが機関投資家のニーズをとらえた。国内でもメガバンクがそろって高値圏にあるなど、「金融の正常化」を先取りする動きにもなっている。為替はあくまでも相対論だが、足元の円安傾向が日本株急落のクッション材となっている。投資家は「売りポジション」を持ちながら、相場の強弱感を測るようにしたい。


<マーケット・ストーリー>

中国大陸から突然やってきた強い偏西風によって、ビニール塊はいったん上方に持ち上がった。「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ」――長い下ひげの老人の声が響き渡る。あたかも自身の神通力かのごとく、その存在感をアピールしている。

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