本日の日経平均は 46.78 円高の 28364.61 円で取引を終了した。朝方は軟調スタートとなったものの、売り一巡後は切り返す動き。上昇幅は一時、200 円を超える場面もあった。ただ、後場に入ってからはやや上値の重い展開。徐々に上昇幅が縮小し、ローソク足では上ひげが出現した。
日経平均の日足チャートでは、上昇相場が継続する形。上ひげが出現したものの、そのトレンドには変化はない。基本的には上方の窓を目指す順番であり、1000 円程度の上昇余地がある。投資家は「買いポジション」を維持しながら、この上値トライの動きを見守るべきだろう。
市場はビットコインなど仮想通貨の急落に肝を冷やしているが、これに関しては一定程度、市場は織り込んだとみられる。時価総額が約半分になったことで、逆資産効果もまたその半分。下落すればするほど経済への影響力は小さくなる――そういった打算もあるのだろう。
懸念されていたワクチン接種の遅れも、東京の大規模接種センターの開設によって順次進 んで行くとみられる。IOC の副会長が「緊急事態宣言下でも東京五輪を開催」と表明したことで、それも一定の買い安心感を与えている。オリンピックの開催は米メディアが資金の大半を提供し、それに縛られている状態。政府、東京都が自ら旗を降ろすことによって、巨額の違約金発生を懸念している。人数制限、場合によっては「無観客でも開催」が規定路線になっており、投資家はそれを前提にトレードするしかない。もちろんオリパラが終われば、「選挙の秋」が待っている。感染・ワクチン・オリンピックの成否によって、与党が大敗することも十分にあり得る。株価はそれを「先読み」して下落する可能性があり、その点には十分な注意が必要だ。日経平均は「強気形状」を維持しているものの、上ひげが「変化の前兆」を示している可能性もありそうだ。
<マーケット・ストーリー>
「助かった!」と思った瞬間が一番危ない。空から垂れた一本の蜘蛛の糸は命綱なのか、それとも毒蜘蛛の仕業なのか・・・。
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